民主党小沢一郎元代表は7日夜、都内の中国料理店で、同党の松原仁、牧
義夫両衆院議員ら小沢グループの中堅議員7人と会食した。出席者によると、
小沢氏は12日投開票の茨城県議選に関し、「民主党政権にとって勝負所だ
が、大惨敗すると思う。そうなれば地方が火を噴く」と述べ、菅政権は早晩
立ちゆかなくなるとの見方を披露した。自身が強制起訴されることを踏まえ、
「今は自分は動けないから、中堅の君たちが考えて動いてほしい。いよいよ
非常時になったら、自分は日本のために何でもする」とも語ったという。こ
れに対し、出席者の一人は席上、小沢氏に「今は政権を支える立場にある。
『反菅』のような動きはできない」と述べ同調はできないとの考えを示した。

 

来春に統一地方選を控えて、本来なら地方組織が脆弱な民主党にとって勢力
を伸ばしたい選挙となるはずであった。だが、鳩山政権は一年ももたずに瓦
解し、後を引き継いだ菅政権も参院選での大敗によって、どうにも政権運営
が難しい状況にある。挙党一致と言っても代表選のしこりが残っており、さ
らに節操がないことに、連立を離脱した社民党を引き入れようと、見直すと
明言していた武器輸出三原則も先送りしてしまった。このような場当たり的
な対応に、国民は呆れていることに気が付かないだろうか。今回、小沢氏が
自身のグループに語ったように、遅かれ早かれ菅政権は立ち往生することに
なる。剛腕と称された小沢氏も強制起訴される立場であって、もはや影響力
を発揮するのは難しい。果たして民主党は立ち直れるのだろうか。それとも
政権交代を果たした事実だけを残し、融解していくのだろうか。