民主、国民新、社民3党の政策責任者は14日午前、首相官邸で、2011
年度予算編成に関する協議を行った。この中で、民主党は米軍普天間飛行場
移設の関連予算を計上する考えを伝えたが、社民党は受け入れられないと回
答。また社民党は、菅直人首相が決断した法人税減税にも反対する考えを示
した。民主、社民両党の隔たりが大きいため、3党は合意を見送り、今後は
各党間で個別に協議していくことを確認した。協議では、民主党城島光力
政調会長代理が普天間関連予算について「(同県名護市辺野古に移設する)
日米合意もあり、必要な予算は計上しなくてはいけない」と主張した。これ
に対し、社民党又市征治副党首は「盛り込むべきではない」と強調した。

 

単なる数合わせで社民党と引き込むのは止めるべきだろう。普天間基地の移
設問題で連立を離脱した以上、日米合意をもとに移設を進める立場の民主党
と相容れることは無い。むしろ、ここで妥協して連立に戻っても困るのは社
民党の方ではなかろうか。民主党通常国会を乗り切ることが目的となって
しまっている。相変わらず手段と目的を履き違えた対応に、通常国会は大変
なことになるだろう。さらに党内も小沢氏の政倫審出席をめぐり、かなりの
波乱が予想されている。事実上の分裂状態に陥る可能性すら出てきた。予算
に関しては衆院の優越によって、参院で否決されても成立はするものの、そ
れ以外の重要法案を通すのは、野党の協力を得る以外に無い。熟議と菅首相
は言ったはずだが、熟議どころか議論の形跡が見られない。社民党の引き入
れに全力を費やしている場合では無いだろう。