仙谷由人官房長官は15日午前、都内のホテルで開かれた経済同友会との懇
談会で「支持率に一喜一憂せず、ここはあまり選挙がなさそうなので、腰を
落としてやれば国民もだんだんと理解が深まるのではないかと期待する」と
述べ、衆院解散・総選挙は当面ないとの見通しを示した。仙谷氏はまた、法
人実効税率の5%引き下げ方針に関し「引き下げを決断した瞬間、財源がな
いとか批判を浴びる。何をやっても批判する悪い癖がメディアを取り巻く状
況にある」とマスコミ報道に苦言を呈した。さらに「批判的議論と私どもの
議論が新しい成果を生む方向にならない。愚痴になるけどつらいところだ」
と指摘した。 

 

菅政権の支持率は20%台前半まで落ち込み、かなり厳しい状況に追い込ま
れている。むろん、衆院議員の任期は2年以上残されており、今すぐに解散
・総選挙に踏み込むとは考えにくい状況である。ただ、現実問題として衆参
のねじれは解消されておらず、国会運営は困難なのは間違い無い。組閣にあ
たり小沢グループを遠ざけ、菅政権の守護神、影の首相とさえ言われた仙谷
官房長官も、失言の連発が災いして、逆にお荷物になりつつある。相変わら
ず反小沢、脱小沢によって支持率の浮揚を狙っているようだが、小沢グルー
プの強い反発を受けて、党内がゴタゴタしつつある。今のままでは支持率の
浮揚どころか、20%割れも視野に入ってきたのではなかろうか。