9月の沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に関し、参院が来年1月召集の
通常国会那覇地検幹部を招致する公算が大きくなった。西岡武夫参院議長
は、中国人船長釈放の際、官邸サイドから同地検に圧力がなかったかどうか
国会として調査する必要があるとの意向を固めており、通常国会は冒頭から
大荒れとなる可能性がある。西岡氏は産経新聞の取材に対し、仙谷由人官房
長官らが中国人船長の釈放について「那覇地検の判断だ」と説明したことに
強い疑念を示した上で「議長として放置してはいけない。きちんと国民に説
明されなければならない」と語った。

 

西岡氏は先の臨時国会でも与野党に呼びかけて地検幹部の招致を実現させよ
うとしたようだが、与野党の対立が激化したことで実現せず、改めて来年の
通常国会での招致実現に動くようだ。西岡氏は民主党の出身でありながらも、
舌鋒鋭く菅政権を批判している。衆参がねじれ状態にある中で、菅政権は身
内からも揺さぶられ、その対応に苦慮していることだろう。だが、尖閣諸島
沖に中国漁船衝突事件は処分保留のまま船長が釈放されるなど、不可解な点
が多く、何らかの政治的な圧力があったのでは、との疑念がつきまとう。こ
れを明らかにするのが国会の仕事なのではなかろうか。