菅首相は6日、首相官邸民主党の岡田幹事長らと会談し、今後の政権運営
について、「通常国会前に政策的な対応をできる形にし、党大会を経て内閣
・党の態勢強化を図る」と述べ、13日の党大会後に内閣改造・党役員人事
を行うことを明言した。6日の党国会対策役員会で、会談に同席した鉢呂吉
国対委員長が明らかにした。首相は同日夜、首相官邸で記者団に、内閣改
造について、「スケジュールも含めて熟慮中だ」と語った。また、鉢呂氏は
6日、自民党逢沢一郎国対委員長公明党の漆原良夫国対委員長と東京都
内で個別に会談し、通常国会の運営への協力を求めたが、召集日には具体的
に触れなかった。これに対し、逢沢氏は「内閣改造には仙谷官房長官と馬淵
国土交通相の更迭、交代も当然入っていると理解している」と述べ、両氏が
辞任しない限り通常国会の審議には応じられないと強調した。

 

いよいよ内閣改造を決意した菅首相。わずか数カ月で菅内閣はその顔ぶれを
新たにするわけだが、果たして民主党に人材は残されているのだろうか。通
常国会の召集を遅らせてまで、内閣改造をすべきとは思わず、むしろ野党の
攻勢を誘う材料にもなりかねない。自公政権下では交代したばかりの閣僚に
政治とカネの問題が発覚し、辞任に追い込まれることがしばしば見られた。
衆院で3分の2の議席を確保出来ていない中、菅政権がねじれ状態を乗り切
るためには、野党に協力が不可欠である。臨時国会の会期末には社民党と「
より」を戻そうとしたり、たちあがれ日本との連立を模索したりと、何でも
ありの動きを見せていた。もはや、民主党政権は国民の支持を失い、それを
回復する手段も見付からない。何でもありの姿勢がかえって、信頼を損なっ
たとも言えるだろう。果たして通常国会はどうなるのか。菅政権の正念場だ。