菅直人首相は8日、元連合会長の笹森清内閣特別顧問と首相公邸で会談し、
「このまま赤字国債を発行するような状態は、2年先は無理だ」との認識を
示した。10年度に続き、新規国債発行額が税収を上回った11年度予算案
を踏まえ、12年度予算編成で税財政改革に取り組む意欲を強調したものだ。
会談後、笹森氏が記者団に明らかにした。笹森氏は会談で、超党派の議論を
進めるため、「自公政権下での審議会などの検討結果を参考にすべきだ」と
の考えを伝えた。

 

何を根拠に2年先が無理との認識に至ったのかは不明だが、何にしても国債
の発行額が税収を上回ると言う異常事態なのは間違い無い。だが、例えば民
主党の看板政策である子ども手当や高校無償化などを止めたら、どれだけの
財源が出てくることだろう。そもそも、無駄の削減や予算の組み替えで捻出
するはずの財源が見付からなかったことに対して、何らかの説明をしたのだ
ろうか。それすらせずに、予算が組めなくなりそうなので増税を、では話に
ならないだろう。支出の削減に取り組まずに増税を狙う、では理解を得られ
るどころか、反発を招くばかりだ。それを分かっているのだろうか。