毎日新聞は14、15両日、菅再改造内閣の発足を受けて緊急世論調査を実
施した。内閣支持率は29%で、昨年12月に実施した前回調査と比べ、5
ポイントの上昇。一方、不支持率は7ポイント減の49%で依然、不支持が
支持を上回る結果となった。菅直人首相は税と社会保障の一体改革に向け、
たちあがれ日本」の与謝野馨元共同代表を経済財政担当相に起用したが、
この人事を「評価しない」との回答が55%に達した。内閣再改造は政権浮
揚にまで至らず、菅首相政権運営は厳しさを増している。

 

与謝野氏の入閣を除けば、これと言ったサプライズが無かった内閣改造だっ
たこともあり、支持率は微増に留まっている。党内外からも、この改造を評
価する声は上がらず、むしろ反発を招いているのが現状であろう。政党支持
率をみると、民主党が1ポイント減の20%、対する自民党は3ポイント増
の21%で政権交代後初めて両党の支持率が逆転している。また、比例代表
の投票先でも自民党民主党を上回っている。このまま通常国会に突入して
も、反転攻勢どころか早々に菅政権は頓挫しかねない。消費税率の引き上げ
に積極とされる与謝野氏が入閣したことで、社民党の復縁は絶望的となり、
衆院での再可決は出来ず、予算は成立させられても関連法案が通せない事態
も考えられるのではないか。野党に対して協力を求めない限り、正常な国会
運営は出来ないだろう。