自民党谷垣禎一総裁とたちあがれ日本平沼赳夫代表は19日夜、東京都
内のホテルで会談し、通常国会で連携して菅政権の退陣を目指すことで一致
した。また、税と社会保障の一体改革に向けた与野党協議に応じないことで
も足並みをそろえた。たちあがれは昨年4月、谷垣氏の党運営を批判して自
民党を飛び出した与謝野馨経済財政担当相らが「反民主・非自民」を掲げて
結成したが、与謝野氏の菅再改造内閣入りを機に野党色を強め、両党首が「
手打ち」した格好だ。会談は与謝野氏が離党した13日に自民党が呼びかけ
た。自民党からは大島理森副総裁と石原伸晃幹事長、たちあがれからは園田
博之幹事長と藤井孝男参院代表が同席した。両党は11年度予算案と予算関
連法案に反対する方針も確認した。出席者によると、会談は「もともとは同
自民党」と和やかな雰囲気だったという。終了後、平沼氏は記者団に「一
日も早く菅政権を倒すために協力する」と述べた。

 

与謝野氏は自民党を飛び出し、たちあがれ日本を結党した議員の一人だが、共
同代表と言う要職にありながら、離党し無所属議員として民主党政権に協力す
る立場となった。もともと平沼代表と与謝野氏は理念も政策も「水と油」と言
われてきたが、結党から約半年で袂を分かったのは、当然と言えば当然かもし
れない。だが、与謝野氏がたちあがれ日本を理念の政党、と評したのも分から
ないでもない。たちあがれ日本が打倒・民主党を掲げながらも、小政党である
が故に注目を集めているとは言い難く、存在は極めて希薄であった。閣僚経験
者が多いとは言え、10人も満たない政党ではキャスチングボードも握れず、
影響力を発揮するのは難しい。そう言った意味で、打倒・民主党を果たすため
に古巣と手を結ぶのは自然な成り行きである。泥船とさえ揶揄される菅政権を
追い込めるか、注目したいところだ。