菅直人首相は21日午前、首相官邸に各府省の事務次官を集めて訓示し、民
主党政権での政治主導について「現実の政治運営の中では、反省や行き過ぎ、
不十分があったことも事実だ」と振り返った。その上で「より積極的な形の
協力関係をつくり上げてほしい」と述べ、政策決定などに当たり一層の協力
を求めた。政権交代後の民主党政権は「官僚主導から政治家主導」の政治の
実現を目指してきた。首相の発言は、これまでの政治主導路線の行き過ぎを
認め、「霞が関」と協力していく姿勢を明確にしたものだ。野党からは「官
僚依存」との批判も出そうだ。

 

菅首相は何を言っているのだろうか。そもそも民主党は政治主導を実現出来
たと思っているのなら、勘違いもはなはだしい。脱官僚を叫び、民主党がや
ってきたことは何だったのか。マニフェストをまともに実現出来ないばかり
か、帳尻合わせの予算をしてきた。民主党の議員に力があれば、政治主導も
実現出来たであろうが、その力は無かったと言わざるを得ない。政務三役会
議に事務次官らも出席するよう要請するなど、自らの力不足を認めたも同然
である。何ら反省も無いままに政治主導を撤回するのは問題だ。官僚を使い
こなすどころか、逆に官僚に振り回されることになりはしないか。