民主党は21日、通常国会召集を24日に控え、衆院常任・特別委員会の委
員人事を決定した。予算委員会は同党委員32人のうち、これまで小沢一郎
元代表に近い委員が13人だったが、大幅入れ替えで5人に減少。証人喚問
の舞台となる予算委を非小沢系で固め、小沢氏側をけん制する狙いがあると
みられる。人事は、安住淳国対委員長が体制強化のため行った。事前に党所
属議員全員に希望先を聞いたが、予算委と政治倫理審査会は除外し、執行部
判断で人選した。予算委の小沢氏系13人のうち、川内博史氏ら12人は1
8日、連名で「辞任する意向はない」との文書を提出していたが、1人を除
き降板が決まった。小沢氏系では新たに仲野博子氏ら3人が加わったが総勢
は5人となった。

 

民主党は相変わらず小沢氏の扱いをめぐって対立を深めているようだ。本来
なら小沢系か非小沢系かで括って良いものではないはずだが、菅首相を始め、
民主党の執行部は小沢氏を排除するためには手段を選ばないだろう。政倫審
招致への議決すら出来なかったのに、証人喚問となるとハードルは一気に高
くなる。小沢氏を離党に追い込むための算段にしては、小沢系の議員を刺激
し過ぎではなかろうか。このまま党内が分裂した状況で、社会保障と税の一
体改革など成し得るとは思えない。そもそも、民主党の執行部は本気で小沢
氏の証人喚問を実現するつもりなのか。単なるポーズであるなら、国民を馬
鹿にした話であろう。露骨な人事が党内に残した禍根は大きい。