与謝野馨経済財政担当相は1日の衆院予算委員会で、無駄削減と予算組み替
えで16.8兆円の財源を捻出できるとした民主党衆院選マニフェスト
ついて、「同情して言えば(民主党は財政の仕組みを)知らなかった。厳し
く言えば無知であった」と述べた。自公政権財務相を務めた与謝野氏は衆
院選の前、民主党の公約を「ほとんど犯罪に近い」と批判。この日の答弁で
も「これから財源の壁にぶつかる。客観的に冷静に、実現可能性に視点を置
いて見直す必要がある」と述べ、大幅な修正が不可避との見方を示した。

 

民主党の公約を徹底的に批判してきた与謝野氏だけに、その問題点を良く理
解しているはずだが、果たしてそれが活かされるのだろうか。大幅な修正が
不可避と言うことは、子ども手当や高校の無償化、戸別所得補償制度、高速
道路の無料化、暫定税率の廃止など、多くの財源を要する政策の数々は撤廃
すると考えて良いのか。これらを撤廃するだけで、数兆円単位の削減が出来
るが、看板は外せないと民主党内からの反発を受けるのだろうか。4月の統
一地方選が迫る中で、民主党が一定の方向性を示せるか。もはや、先送りに
する余裕は無いはずだ。与謝野氏も批判を承知で入閣したのだから、民主党
を変えるような力を発揮して欲しいものだ。