民主党の鳩山前首相は20日、北海道伊達市で開いた自らの後援会会合で、
米軍普天間飛行場沖縄県外移設断念の理由に海兵隊の抑止力を挙げたのは
「方便だった」と発言したと報じられた問題について、「方便とは、真理を
導くための手段だ。真理、すなわち辺野古への移設へ導く手段として、抑止
力という考え方を言った」と釈明した。出席者からは「(発言は)慎重にし
て欲しい」などの苦言も出た。

 

口を開くたびに失言が出るようでは、鳩山氏を支える後援会も嫌気がさして
くるのではないか。政権を迷走させ、投げ出したと思いきや、自らの引退を
撤回して小沢氏と連携し、菅首相と対峙した。トロイカ体制政権交代と言
う目的によって、かろうじて繋ぎ止められていたに過ぎないことを露呈した
のではなかろうか。首相経験者の発言は国内だけでなく国外にも影響するも
のであり、今回の方便発言も大きな波紋を呼んだ。穿った見方をすれば、社
民党と接近しつつあった菅首相に対して、楔を打ち込んだとも言える。普天
間基地の移設問題は、社民党にとって譲れない問題で、方便によって県内移
設が決められたと知れば、激怒するのは当然だからだ。国民の大半は鳩山氏
の即時引退を願っている。そのことに気付いて欲しいものだ。