菅直人首相は24日の衆院本会議で、民主党が2009年の衆院選マニフェストで月額
2万6千円の子ども手当を支給するとしたことについて「この議論がなされている小沢
代表の当時、2万6千円と聞いたときに一瞬ちょっとびっくりした」と述べた。子ども
手当の支給額は現在1万3千円。首相答弁は満額の2万6千円支給は困難と認識してい
たとも受けとれる発言だ。自民党谷垣禎一総裁は記者会見で「『小沢さんが提案した
ものだからおれは責任を負わないぞ』と言っているように聞こえた。無責任極まる発言
だ」と批判した。

 

菅首相はいったい何を考えているのだろうか。そもそも月額2万6千円とした根拠は不
明だが、月額2万6千円にした経緯については、野田佳彦財務相も7日の衆院予算委で
「背景は知らない」と言及を避けていた。つまり、額が大きければ大きいほど良いと考
えたのかもしれないが、その財源は考慮されていなかったと言うことだろう。菅首相
発言にどよめきが起きたのも当然である。小沢切りを実行したと思いきや、今度は責任
転嫁に走るとは、非常にまずい対応と言わざるを得ない。わざわざ野党に付け入る隙を
与えたのは、子ども手当法案の修正に応じる誘い水なのだろうか。いずれにしても、あ
まりに軽い発言に怒りすら憶えるのである。