民主党渡部恒三最高顧問は26日午前、2011年度予算案と関連法案の審議に関し、
民主党よりも、菅君よりも、速やかに予算案、関連法案を通して、国民の生活に役立つ
ことを実行することを最優先に考えなくてはならない」と述べた。都内で記者団の質問に
答えた。与党内には、首相退陣と引き換えに予算関連法案への協力を野党側に求めるべき
だとの声があるが、渡部氏の発言は、同案成立にめどが立つならば首相退陣もやむを得な
いとの認識を示唆したものだ。ただ、自民党などは首相退陣でも協力を拒否する姿勢を示
している。一方、渡部氏は「民主党所属議員としては、菅君がやろうと言っている限り、
守ってあげるのが政治家のルールだ」とも語った。

 

事実上の退陣勧告のようにも聞こえるが、それだけ菅首相民主党内における求心力を失
っていると言うことだろう。予算案は参院で店晒しにされても、自然成立するものの関連
法案はそうはいかず、野党との歩み寄りは必須である。それを菅首相が出来るのであろう
か。別に首相の顔が変わったからと言って、野党が協力する保証は無く、平行線をたどり
続ける結果に終わりかねない。むろん、関連法案が成立しないと国民生活への影響は出て
くるであろうし、チキンゲームの様相を呈している。今の支持率で解散総選挙に打って出
られて困るのは、民主党の議員であって、せめて顔を挿げ替えて戦いたいと言うのが本音
ではなかろうか。それだけ菅首相の価値は低下したと言うことだ。