前原外相が、政治資金規正法で禁止されている外国人からの政治献金を受け取っていた問
題が、菅政権を激しく揺さぶっている。辞任論が広がる中、菅首相は当面、前原氏を続投
させる姿勢だが、野党は週明けの国会審議で「辞任圧力」を強める構えだ。首相が対応を
誤れば、政権に致命傷を与えかねない情勢となっている。前原氏は5日、神戸市での外務
省主催の講演会に出席した後、北九州市民主党城井崇衆院議員の会合に出席した。城
井氏は前原氏の元秘書だが、「政治とカネの問題もしっかりけじめをつけなければならな
い」とあいさつし、会場には張りつめた空気が漂った。

 

この問題に対して、菅首相は「本人が全容についてよく調べてちゃんと説明したいと言っ
ているので、私もそうすることがいいと思う。それによって納得いただけることを、私と
しては期待している」とし、輿石参院議員会長は「一日も早くけじめを付ける必要がある」
と危機感を露わにしている。それもそうだろう、前原外相は民主党政権の看板閣僚であり、
ポスト菅の有力候補の一人である。次代を担う人材だけに、ここで数万円の献金のために
政治生命まで失うのでは割に合わない。だが、外相が外国人から政治献金を受け取ってい
たとすれば、大きな問題となるのは当然である。辞任の流れは出来つつあるが、菅政権に
とってさらなる打撃になることだろう。