菅直人首相の元秘書で、東京都武蔵野市松本清治市議が、東京電力が実施する計画停
電で、市内の一部地域が対象から外れたことについて、「松本清治の要請が実現しまし
た」などと記したビラを配布していたことが24日、分かった。武蔵野市菅首相の選
挙区でもあり、インターネット上で批判が集中、松本氏は同日、自身のツイッターで「
配慮が足りなかった」などと謝罪した。松本氏の説明によると、ビラは「市政報告レポ
ート」と題したA3判の両面刷りで、約800部を配布。「わかりにくい計画停電」と
の見出しで、武蔵野市の病院などを含む第1グループは「当面、計画停電の対象地域か
ら除外する」と東電側から連絡があったなどと記載し、「要請が実現しました」と記し
た。これに対し、ネット上では「利益誘導か」「配慮に欠ける」などと批判が集中。松
本氏はツイッターで「地益誘導ものではありません」などと釈明。

 

この非常事態に何をやっているのだろうか。武蔵野市議選を控えての行動なのだろうが、
一市議の要請で計画停電の対象が変わるとは思えないのだ。第一、このような利益誘導
をしたら、むしろ評判を落とすだけだろう。おそらく松本氏の先走りに過ぎないと考え
た方が良さそうだ。事実、東電の武蔵野支社・地域コミュニケーショングループは「ま
ったくの事実無根。市民から苦情も寄せられていますが、支店として松本市議から要請
を受けた事実は一切ありません」と完全に否定している。「配慮が足りなかった」とは
何の配慮なのだろう。計画停電の対象から外れたことを誇らしげに書いたことか、それ
ともそのような要請をしたことか。計画停電とは負担を分かち合うものであって、要請
をすれば解決してしまうようなレベルの話であってはならないのだ。