菅首相は29日の参院予算委員会で、東日本巨大地震発生翌日に東京電力福島第一原子
発電所を視察したことが初動対応の遅れにつながったとの指摘について、「指摘は全
く当たっていない」と述べ、問題はないとの認識を示した。11日の地震発生後、首相
の国会答弁は初めて。首相は視察について、「現地の状況把握が重要だと考えた。陣頭
指揮という言葉もある。現地責任者と会って直接話を聞き、その人物を見たことは、対
策を考える上で極めて有効だった」と強調。視察とベント作業が遅れたこととの因果関
係は、「12日午前1時30分にベントをすべきだという姿勢を明確にし、一貫して東
電に伝えていた」と否定した。

 

首相とは激務である以上、陣頭指揮を執るのは事実上は不可能だ。状況把握は官邸のス
タッフが行い、首相に情報をきちんと上げる役割を担っている。そう言った機能がまと
もに働いていないのであれば、大問題ではないか。何でもかんでも現場に行けば良いわ
けでも無く、むしろ首相は警備の問題もあり、視察される側にとっても準備が必要とな
るのだ。ベント作業に影響したかは、どうとでも言えるだろうが、ベントで現場の菅首
相を被曝させられない」との判断が働いた、との見方は否定出来ないのではないか。む
ろん、こんな批判をいつまでも続けている方が不毛であろう。菅首相にはやるべきこと
をやってもらおう。徹底的に。