「首都の顔」を決める東京都知事選挙が10日、投開票される。3月11日に発生した
東日本大震災の影響で首都の防災対策が主要な争点となった。一方、「自粛」ムードが
漂う中、それ以外の都政の政策論争が起きない異例ずくめの選挙戦も9日が最終日。候
補者は最後の支持を訴える。都知事選には、飲食チェーン役員の渡辺美樹氏、4選を目
指す現職の石原慎太郎氏、発明家のドクター・中松氏、元宮崎県知事の東国原英夫氏、
医師の小池晃氏ら11人が立候補した。先月24日の告示日は震災の犠牲者に黙祷する
候補者の姿がみられ、期間中も選挙カーの使用自粛やマイク音量を抑えるなど、前回ま
での“舌戦”とは一転、選挙戦らしくない選挙となった。

 

3月11日の震災のため、もはや選挙どころでは無いのが候補者、有権者の本音ではな
いか。法律で決まっているとは言え、予定通りに選挙が実施されることに違和感を憶え
ないでもない。首都決戦の都知事選も現職の石原都知事を除けば、本命と言えそうな候
補はいないのが現状である。また、自粛ムードの中で派手な選挙戦もなく、投票率も低
くなりそうだ。防災がテーマの一つに浮上したとは言え、選挙戦がこの状態では積極的
な議論をするのは難しく、消化不良のまま投票日を迎える。非常態勢での選挙と言うも
ののあり方を考えるきっかけにはなったかもしれないが。