民主党小沢一郎元代表が13日、東日本大震災への菅直人首相の対応を「無責任」と
断じる見解をまとめ、震災発生以降は控えていた首相批判に踏み切った。危機管理が問
われた10日の統一地方選前半戦で同党が惨敗したことが背景にあり、いったん沈静化
していた党内の「菅降ろし」の動きが再び強まる可能性も出てきた。「福島第1原発
故で収束の見通しが立たないのは考えられない。今の政権でいいのか」。小沢氏は13
日夜、都内の自宅に自らに近い中堅・若手約20人を招き、政権への不信感をぶちまけ
た。小沢氏は同日「さらなる災禍を招きかねない」などとした見解を打ち出しており、
周辺は「『辞めろ』と言っているのに等しい」と事実上の首相退陣要求だと強調した。

 

菅首相は震災への対応に全力を注いでいると自分では思っているだろうが、福島の原発
の事故は収束の見通しすら立っていない。これでは震災後の復興の青写真を描くどころ
ではなく、我が国も停滞ムードから脱することが出来ないのだ。このタイミングで小沢
氏が動き出したのは、菅首相の震災への対応が支持を集めていないと読んだためであろ
う。だが、この動きは国民の支持を集められるのだろうか。自民党は大連立の条件とし
菅首相の退陣を前提としているため、小沢氏が菅降ろしを目論む中で、再び大連立を
すべき、との流れが浮上してくるかもしれない。政権への不信感をぶちまけたところで
小沢氏が復権出来るとは思えないが、注目したい動きである。