枝野幸男官房長官は14日午前の記者会見で、菅直人首相が福島第1原発周辺の避難区
域に「20年住めない」と発言したと伝えられた後、打ち消したことについて、「そも
そも首相はそういったことを言ってなかったが、不安を抱かせる結果となったことは真
摯に受け止めなければならない」と述べた。一方、「おおむね1カ月後」としていた計
画的避難区域の指示については、「具体的な避難の仕方などしっかりと地元の声、事情
を踏まえて計画を立てた上で、最終的な指示を出す」と述べた。 

 

本来なら言った言わないの低レベルで済ませて良い問題では無いはずだ。菅首相が福島
第一原発周辺の非難区域に20年住めないと、松本健一内閣官房参与と会談した際に発
言したとされる問題だが、自民党谷垣禎一総裁は「厳しい避難生活を続けている住民
の気持ちを深く傷つけ、いたずらに不安をあおるものだ」と批判している。もともと自
分が住んでいた土地を離れなければならないことの辛さを分からないのだろうか。非常
に残念な発言である。だが、現実問題として住民が元の土地で暮らせるようになるには、
それなりの時間が必要ではないか。これだけの被害をもたらした福島第一原発の事故は
我が国の原子力政策を転換させるだけでなく、世界にも大きなインパクトを与えた。こ
れをどう解決していくか、菅政権の課題ははっきりとしている。