枝野幸男官房長官は15日午後の記者会見で、菅直人首相が「福島第一原発周辺は10
年、20年住めない」と語ったと説明した松本健一内閣官房参与について、更迭も含め
て検討する考えを示した。松本参与は発言を撤回し、菅首相も否定しているが、被災地
与野党からの批判がやまないからだ。これに先立ち、民主党渡部恒三最高顧問は首
相官邸で菅首相と面会後、松本参与について「そんな側近はクビにすればいい」と記者
団に語った。渡部氏が首相に発言の真意を問いただしたところ、首相は改めて「そうい
う考えではない」と否定したという。渡部氏の発言について枝野氏は「重い指摘がある
ことを踏まえた上で適切な対応をするべく検討しなければいけない」と述べた。

 

菅首相が「福島第一原発周辺は10年、20年住めない」と語ったか、どうかは置いて
おくとしても、このような内容をペラペラと話してしまう側近は不要だろう。こう言っ
たことが漏れてしまうことで、我が国だけで無く他国からも疑念の目で見られかねない。
放射能で汚染された以上、その土地に戻ろうにも戻れないのは確かだが、それを一刻も
早く実現するのが政治の役割であろう。思い返せば菅首相の「最悪の事態になったとき
は東日本がつぶれることも想定しなければならない」との発言もそうだが、最悪のこと
を想定するのは良いが、それを語る時を考えなければならないであろうし、その最悪を
回避するために最善を尽くすべきであろう。このような側近しかいないのかと思うと、
悲しくなってくる。