民主党桜井充財務副大臣が19日付の自身のメールマガジンで、菅直人首相について
「交代させろという声が出てくるのは当然のこと」などと厳しく批判した。閣内から退
陣論が出た形で波紋を広げそうだ。桜井氏は18日の参院予算委員会の首相答弁につい
て「何か言われると必ず自分の正当性を主張する。自分の非を認めると責任論につなが
ると思っているのかもしれないが、今日のような答弁では反発を招くだけだ」などと指
摘。そのうえで「今後も総理を続けていかれるのであれば、もう少し歩み寄る姿勢をみ
せていただきたい」とした。これに関連して、枝野幸男官房長官は20日午前の記者会
見で「直接の上司である財務相が調査し、しかるべき対応をしていただけると思う」と
語った。

 

身内からの批判を菅首相はどう思ったことであろうか。桜井氏は菅首相と小沢元代表
公開討論会を主催するなど、民主党内では、どちらとも一定の距離を置く、いわゆる中
間派として知られており、小沢系の副大臣と言うわけではないのが、今回のポイントで
あろう。桜井氏は被災地である宮城県の選出と言うことも関係しているのかもしれない。
この批判によって副大臣の地位を追われようとも構わないとの覚悟が見て取れる。メー
ルマガジンの内容が「野党から『首相を辞めろ』という声が出ていたが、言いたくなる
心情はよく分かる。政策の内容ではなく人としてどうかだ」と言った辛辣な内容だった
だけにだ。菅首相の耳に届いていれば幸いである。