大畠章宏国土交通相は28日の閣議後会見で、菅直人首相が8月中旬の入居完了を目指
すとした被災者向けの仮設住宅整備について、「できるだけお盆までには仮設住宅に入
ってもらうように努力はしたい」との考えを示した。国交省は9月末までに7万200
0戸の供給を目指し、整備を続けてきた。5月末までに3万戸を建設することはめどが
ついているが、大畠国交相によると、「6月以降の仮設住宅の建設がどのような形で実
現できるか、関係自治体と詰めに入ったところ」という。また大畠国交相は用地確保が
思うように進んでいない状況を明らかにし、「同じ用地でも倍の戸数になる2階建ての
仮設住宅が必要かなという思いがある」との認識を示した。

 

菅首相衆院予算委員会仮設住宅について「遅くともお盆のころまでには希望者全員
に入っていただけるよう全力で努力したい」と述べ、8月中旬に入居を完了させたい考
えを明らかにしていたわけだが、大畠国交相はこれを打ち消す形となった。相変わらず
情報共有が出来ていないことを露呈したとも言える。5月末時点で半分にも満たない状
況なのは、仮設住宅そのものが不足しているのか、それとも用地確保が出来ていないの
か、はたまたその両方なのか。いずれにしても努力と言う言葉で片付けて良いものでは
ないだろう。菅首相の意気込みとは裏腹に、現実は乖離していく。今回の震災は大津波
によって住むところを失った被災者が多数いる。避難所である体育館には空調など無い
であろうし、真夏を前に少しでも多くの被災者が仮設住宅に入れるようにすべきだ。