菅直人首相は8日、浜岡原子力発電所の全面停止要請に関連し、他の原発にも停止要請
する可能性について「それはない。浜岡原発は特別なケースだとの位置づけだ」と否定
した。中部電力が最終結論を持ち越していることについては「浜岡原発は特別に大きな
地震がくる可能性が政府機関でも指摘されている。しっかり話をして中部電力にも理解
してもらいたい」と強調。東京電力福島第1原発事故の賠償に関しては「風評被害も含
めて責任のあるものは補償すべきだ」と述べた。都内で記者団の質問に答えた。

 

法的根拠の無い停止要請に中部電力は大いに戸惑ったことだろうが、浜岡原発の停止に
は踏み切るようだ。休止中の火力発電所を再開するにしても、経営への影響は計り知れ
ない。停止期間を津波対策の防潮堤が完成するまで、と見込むものの、現在の状況から
考えると再稼働させるには、相当高いハードルがあるのではないか。つまり中部電力
原発を持たない電力会社となるわけだが、前向きに考えれば脱原発を考えるきっかけと
なるだろう。それにしても、今回の菅政権の対応は唐突であり過ぎた。無用な混乱を招
いただけでなく、禍根を残した。大いに反省すべきだ。