政府は電力需給対策本部の会合を開き、福島第1原子力発電所事故に伴う夏の電力不足
への対応策を決定した。政府は東京電力の供給力を他電力からの融通や火力発電所の復
旧で、8月末時点で従来見通しの5200万キロワットから5620万キロに引き上げ
た。需要面では東電、東北電力管内の企業や家庭に対し、一律15%の節電を求める。
計画停電はあくまでセーフティーネットの位置づけで、原則として実施しない。東電は
当初、中部電力から75万キロワットの融通を予定していたが、浜岡原発の運転停止に
より見送った。東電は東北電に対し最大140万キロワットの電力を融通。その結果、
東電管内では10・3%程度、東北電力管内では7・4%程度の需要抑制が必要となる。

 

夏場の電力需給が逼迫するのは当初から予想されていたことだが、東電は他電力からの
融通や火力発電所の復旧によって、一定の電力を確保することが出来るようだ。それで
もピーク時を乗り切れるかは不明なため、企業や家庭に対して15%の節電を求めるこ
ととしたのだろう。例えば建設機械大手のコマツは夏場の節電対策として、ピーク電力
をカットするために休暇を増やす方針で、週休3日の導入を検討しているようだ。むろ
ん労働時間の確保が課題のようだが、業種によってはこういった考え方もありだろう。
長期の夏休みを設定するなど、普段なら出来ないことを実施するチャンスでもある。こ
れを機に夏場の過ごし方が変わるかもしれない。