東京電力福島第1原子力発電所1号機への海水注入が、菅直人首相の言動を受け55分
間中断したとされる問題で、東京電力が、海水投入の3時間以上前の3月12日午後3
時20分ごろ、経済産業省原子力安全・保安院に海水注入する旨を事前報告していたこ
とが24日、分かった。首相らが海水注入の協議を始める2時間40分前にあたる。首
相は国会で「東電から海水注入の報告はなかった」と答弁しており、政府説明にまたも
矛盾が浮上した。

 

事実が明らかになるにつれて、政府説明の矛盾点が明らかになってきたが、海水注入の
事前報告は官邸には届かなかったと、今度は言うのであろうか。菅首相は「報告が上が
っていないものを『やめろ』とか『やめるな』というはずがない」と答弁してきたため、
海水注入と言う極めて重要な情報まで伝えられていなかったとすれば、いったい政府は
何をしてきたのか、と批判されるのは当然であろう。情報を一元化して指示を出すのが
こう言った震災時の危機管理なのではないか。もはや、言った言わないのレベルはとう
に過ぎており、官邸の危機管理が問われているのだ。初めてのことなので、と言って許
されるような立場では無いのだから。