民主党安住淳国対委員長は29日、各党の国対委員長が出演したNHKの討論番組で、
野党が今週中に提出する予定の内閣不信任決議案に民主党議員が同調する動きが出てい
ることに対し、「粛々と否決する自信がある」と述べた。番組後には記者団に「自民党
の出す不信任案に同調することは、自分の選挙区で対抗する候補者を利することになる」
と強調、造反の動きを強く牽制した。自民党逢沢一郎氏は番組で「そう遠くないとき
に不信任案を提出する」と述べ、公明党の漆原良夫氏も「早い時期に出した方がいい」
と早期提出に同調した。共産党穀田恵二みんなの党水野賢一たちあがれ日本
園田博之の各氏も不信任案への賛成を明言した。

 

民主党の執行部は内閣不信任決議案否決に自信を持っているようだが、それが単なる勘
違いで終わっては意味が無い。民主党内で造反の動きがあるのは菅政権を倒すことを目
的としているのであって、解散総選挙に追い込もうとしているのではない。2009年
衆院選は、議員1人当たりの有権者数を比較した小選挙区間の「1票の格差」が最大
2.30倍で最高裁はこれを違憲状態とした判決を下している。この状態のまま衆院選
を行えば、違憲として無効になる可能性があり、国会は大幅な区割りの見直しを求めら
れている。これを解決しないままの解散は打てず、さらに津波によって壊滅状態に陥っ
た東北の沿岸部では選挙どころではないだろう。不信任決議が成立しても、解散するこ
とは出来ない菅首相。逃げ切るには否決する以外には無いのだ。