鳩山由紀夫前首相は3日午前、菅直人首相が早期退陣を否定していることについて「き
ちっと約束したことは守るのはあたり前だ。それができなかったらペテン師だ」と述べ、
激しく非難した。都内の自宅前で記者団に語った。鳩山氏は2日昼の民主党代議士会直
前に首相と面会した内容に関し「復興基本法案の成立と平成23年度第2次補正予算
の編成のめどがたったらお引き取りいただくということに、首相は『結構だ』と言った」
と強調した。その上で「不信任案直前には辞めると言い、否決されたら辞めないと言う。
こんなペテン師まがいのことを首相がやってはいけない」と指摘。「人間としての基本
にもとる行為をしようとしているのなら、即刻党の規則の中で首相に辞めていただくよ
うに導いていかなければならない」と述べ、両院議員総会を開いて首相に早期退陣を求
める考えを示した。

 

一国の首相の辞任を「言った、言わない」のレベルにまで落としてしまうとは、本当に
呆れるばかりだ。鳩山氏も文書を取り交わしていながら、辞任の言質を取れなかったの
は脇が甘いと言わざるを得ない。ただ、不信任決議案の可決を阻止するために、菅首相
が嘘をついたとすれば、もはや菅政権は死に体でしかないだろう。賛成から反対に転じ
民主党議員も、早期の辞任を期待していたであろうし、それが適わないとなれば、民
主党内のゴタゴタが収まることは無い。ただ、一時は70人以上を反対でまとめ上げた
小沢氏が欠席したことで、求心力を失ったとの見方もある。民主党政権交代に導いた
トロイカ体制の面々が、こうして醜態を晒しているのは、世代交代の必要性を表してい
るのではなかろうか。延命のための茶番劇に怒り心頭なのは、別に国会議員だけではな
いのだ。我々、有権者こそ怒り呆れているのだ。