6月22日に今国会の会期末が迫る中、菅直人首相の退陣と引き換えに、平成23年度
予算の財源確保に不可欠な特例公債法案を成立させる方針で与野党が大筋合意したこと
が8日分かった。複数の与野党筋が明らかにした。延長幅は7月2日までの10日間を
軸に調整している。与野党は、復興基本法案は10日に衆院通過させ、17日に参院
成立させる見通し。この直後、首相が退陣を表明することを条件に衆院で特例公債法案
の審議を再開し、速やかに参院に送り、7月2日までに成立させる運びとなる。子ども
手当など「バラマキ4K」の見直しについては、与野党で合意するか、付帯決議に盛り
込む方向で調整している。

 

特例公債法案が成立することで、2011年度予算がようやく完全な形となるわけだが、
菅首相が退陣を表明しないまま、居座っていたらどうなっていたことだろう。国債発行
が出来ずに、毎月入ってくる税収と合わせて、財務省は一時的な歳入不足を補うため最
大20兆円まで発行できる「政府短期証券」で何とかやり繰りをしてきたが、枠が決ま
っている以上、いつかは破綻するシナリオであった。これで今国会中の菅首相の退陣は
既定路線となったとも言えるだろう。本人はどう思っているかは分からないが、少なく
とも道筋は完成してしまっている。新首相の下でやるべきは、二次補正予算案を早期に
成立させて復興への足掛かりとすることである。早ければ早いほど被災地は救われる。