退陣表明した菅直人首相の後継を決める党代表選に向け、党内のグループが動き始めた。
執行部内で擁立論が出ている野田佳彦財務相は10日昼、自らを支持するグループ「花
斉会」の幹部と国会内で協議。同グループは野田氏の出馬を視野に戦略を練る。野田氏
は午前の記者会見で、小沢一郎元代表のグループと主流派の対立などを念頭に党内融和
に努める考えを示した。野田氏はグループ幹部に「落ち着いてグループとして行動しよ
う」と述べ、当面は首相の退任時期や党内情勢を見極める姿勢をにじませた。出馬につ
いては明確な言及を避けたという。会合後、記者団に「何も決まっていない」と語った。

 

ポスト菅の候補として野田氏のほかに樽床氏、鹿野氏、小沢鋭氏などの名前が挙がって
いるが、前官房長官、そして官房副長官として菅首相を支えてきた仙谷氏は野田氏を担
ぐとの報道が出ている。世論調査ではトップの前原氏が外国人からの献金問題で躓いた
ことで、野田氏も動きやすくなったのではないか。野田氏は記者会見で「誰かから脱す
るとか、誰かを除くとかいう話は不毛だ。一番超えなくてはならないのは怨念の政治だ」
と指摘したように、反主流派と化した小沢グループをどう扱うかが、今後の民主党のカ
ギとなるだろう。ただ、名前の挙がる候補を見ても抜きん出た候補はいないように思え
る。まだまだ先行きは分からないだろう。