民主党小沢鋭仁環境相は12日午前のフジテレビの番組で、菅直人首相退陣後の党
代表選に関し、「(出馬を明言しないのは首相への)礼節の観点だけだ。やるときはや
る」と述べ、退陣時期が明示された段階で立候補を表明する考えを示唆した。同じ番組
で、出馬の可能性を問われた同党の樽床伸二国対委員長は、時期尚早としつつも「東
日本大震災を節目に新しいエネルギー政策を短期、中期、長期で立て、それを中心に日
本が世界を引っ張っていく(べきだ)」と意欲をにじませた。小沢、樽床両氏は、震災
対応で自民党との大連立の必要性に言及した。

 

一連の菅降ろしの騒動によって、民主党躍進の原動力となってきた、いわゆるトロイカ
体制は弱体化し、党内を引っ張っていくだけの力を失いつつある。特に鳩山氏と菅首相
は退陣をめぐって「言った、言わない」の低次元な言い争いをしたことで、信頼を損ね
てしまった。これによって世代交代が進むのは確実だろうが、実力者ほど身を引くのに
抵抗することだろう。小沢グループ内閣不信任決議案への対応で混乱をきたし、小沢
氏も党員資格停止処分を受けている以上、代表選に出ることも叶わない。そんな状況に
名乗りを上げてきたのが、小沢前環境相や樽床氏、そして出馬が取り沙汰されている野
財務相と言った面々である。菅首相がいつまで続投するのか、次期代表選は混沌とし
た状態になっていくことであろう。