菅直人首相は14日午前の閣僚懇談会で、東日本大震災からの復旧に向けた2011年
度第2次補正予算案の編成を野田佳彦財務相らに指示した。首相は「『1.5次補正』
と言うのかもしれないが、1次補正で残ったもの、特に急ぐべき予算について編成に入
りたい」と表明した。玄葉光一郎国家戦略担当相はこの後の記者会見で、2次補正に関
し「財源について与野党で合意を得るのは本格的な復興予算だ。それ以前の補正なので、
1次補正より少ない額になるのではないか」と語った。

 

第2次補正予算案は復興構想会議の提言を元に組まれる、本格的な復興予算を想定して
いたはずだった。さらに臨時国会で審議する方針を固めていたわけだが、これに野党だ
けでなく与党の一部も反発し、先日の内閣不信任決議案の提出につながった。菅首相
退陣を表明したことで、否決に終わったものの退陣の時期を巡って、さらなる反発を呼
んでいる。そんな中では、大規模な復興予算を話し合えないと見越したのか、2次補正
の財源は赤字国債建設国債は増発しない方針とし、集められる財源で対応するため、
小規模な補正となる見通しのようだ。正に本末転倒とはこのことだろう。付け焼刃の補
正予算を成立させても、被災地の復興が遠くのくだけのことだ。