主要企業の株主総会が、17日のトヨタ自動車を手始めに始まる。集中日は29日で、
東証の上場企業の約4割にあたる707社の総会が予定されている。東日本大震災を踏
まえ、懇談会などを自粛したり、節電に取り組む動きも出ている。日産の総会は、集中
日の29日に横浜市で開催する。今年は総会後、株主とカルロス・ゴーン社長ら経営陣
との恒例の懇談会を中止した。浮いた経費は被災地支援に充てる。株主に防災グッズを
配る一方で、記念品の配布を自粛する企業もありそうだ。株主優待を見直す動きも出て
いる。キーコーヒーは、コーヒーなどの詰め合わせを株主に贈っていたが、被災地への
義援金に充てることを株主が選べるように制度を変えた。

 

震災の影響は当面続きそうだが、企業努力は株主総会の場にまで広がっているようだ。
さすがに株主も理解を示すことであろう。今回の震災は、自動車などの組み立て型産業
にとって部品のサプライチェーンがいかに大切かを改めて確認させられる結果になった。
部品一つでも欠ければ製品が完成しないと言う現実、代替がきかないだけに大きな打撃
となったことであろう。震災発生後の自粛ムードもレジャー業界や外食業界に打撃を与
え、ゴールデンウィークでさえ閑散とした観光地もあった。今のところ自粛ムードは解
消されつつあるが、次の問題は節電であろう。夏場は電力不足への対応として、週休3
日にする、夏休みを増やす、と言った対応が見られる。しかし、企業努力とていつまで
も続けられるわけではない。それだけは忘れて欲しくないものだ。