民主党岡田克也幹事長は19日午前のNHK番組で、東日本大震災の復興基本法案が
成立するのに伴い新設される復興担当相の任命に関し、「新たな人を入れると誰かが閣
僚を辞めなければならない。それ以上の内閣改造は想定できない」と述べた。菅直人
相が全閣僚の辞表を取りまとめる内閣改造を否定し、閣僚の交代は最小限にとどまると
の見方を示した。菅内閣は内閣法の上限の17閣僚で構成されており、改造がなければ
復興担当相任命には現閣僚の兼務か交代が必要になる。また、岡田氏は会期末を22日
に控えた今国会の延長について「秋のどこかの段階までの国会は必要だ」と述べ、会期
中に本格的な復興策を盛った2011年度第3次補正予算案と関連法案の成立を図る考
えを強調した。 

 

退陣を表明した首相が内閣を改造するなど、前代未聞のことであろう。引き続き政権運
営をしていくとの意思表示に過ぎず、さすがに民主党執行部も機先を制して改造を否定
する羽目になった。菅首相が退陣の時期をズルズルと延ばす度に、復興のための予算や
法案の成立は野党の抵抗に合うであろうし、結局は被災者のためにならない。今のまま
では立ち往生するだけでなく、赤字国債の発行も出来ないまま、今以上の混乱が我が国
を覆うことになるだろう。菅首相は自ら退陣を明らかにしたのだから、いつまでも政権
の座にいるのは我が国のためにならない。同志に「ペテン師」となじられてまでも、首
相の座に留まりたいのは、いったい何故なのだろうか。首相のなることが目的だったと
さえ言われる菅首相だけに、手段と目的を履き違えたままいるのであろうか。