菅首相が続投意欲を強める中、通常国会は19日、大幅延長が固まった。民主党執行部
は会期延長と首相退陣を切り離すことによって、野党の協力を得たい考えだが、与野党
双方には「首相は居座り続ける」との疑心暗鬼が一段と募っている。岡田幹事長ら執行
部が19日夜、首相公邸で首相と延長幅を協議した際も、退陣時期の明確化は強く迫れ
なかったようだ。首相と岡田氏、枝野官房長官ら6人による協議は約1時間20分に及
んだ。岡田氏らは90日程度の延長としたい考えだが、出席者によると、12月ごろま
での延長、90日より短くする案など「4パターン」の案が示されて「激論が交わされ
た」といい、結論が出なかった。

 

もはや菅首相の早期の退陣は無いことは明確になってきたが、民主党執行部との溝は広
がりつつあるようだ。今回の混乱は、菅首相が退陣時期を曖昧にしたことに端を発して
いる。野党は菅首相を相手にしない姿勢を崩しておらず、退陣は既定路線なのだが、そ
れがはっきりとしないまま会期延長はとうてい受け入れ難いだろう。民主党執行部の中
には、自らの辞任と引き換えに菅首相にも退陣してもらう、と言う極端な話も出ている
中、一定の結論を導き出せるのであろうか。「寄り合い所帯」と言われ続けただけに、
難題を突き付けられると党内融和を優先し、先送りにしてきた過去がある。さすがに今
回は逃れないはずなのだが・・・