衆院は22日の本会議で、今国会の会期を8月31日まで70日間延長することを、民
主、国民新両党などの賛成多数で議決した。野党は自民、公明、たちあがれ日本の3党
が反対し、共産、社民、みんなの3党は賛成した。菅直人首相の退陣と引き換えに赤字
国債発行に必要な特例公債法案などの成立を図るとした自民、公明両党との合意は、首
相の退陣時期が明確にならなかったため破綻した。延長国会で民主党は同法案など重要
法案の成立に全力を挙げる方針だが、首相が8月までは当面続投することになり、野党
との攻防が長期化するのは必至だ。

 

なし崩し的に菅首相の続投が決まってしまったが、辞めると発言した首相の言うことを
誰が聞くのであろうか。特に外国にとっては「辞める首相」としか見えないだろう。9
月には日米首脳会談を控えており、道理では新首相が訪米すべきであって、菅首相はそ
の前に退陣すべきだ。それにしても、民主党執行部は実に情けない。菅首相に引導を渡
せなかったばかりか、延命に手を貸してしまった。あれだけ息巻いていた岡田幹事長は
いったい何だったのだろうか。菅首相の退陣と引き換えに赤字国債発行に必要な特例公
債法案などの成立に、協力するはずだった野党は完全に裏切られた格好となり、税収不
足で我が国の機能が停止しかねない事態も現実のものとなってきた。重要法案を通すた
めには、参院を押さえる野党の協力が必須である。もはやチキンレースの様相を呈して
きた感すらある。