浜田参議院議員の「一本釣り」に対して、自民党の石原幹事長は「菅総理との信頼関係
はゼロだ」と述べ、「特例公債」など3法案の審議への影響は避けられないという見通
しを示した。「菅総理が人の懐に手を突っ込んで、自分の延命のために今おっしゃられ
たようなことをするならば、信頼関係はまったくできませんから」とし、さらに浜田議
員の「一本釣り」について、「1年生議員にポストをぶら下げて食べさせるのはおぞま
しい政治主導だ」と厳しく批判した。浜田議員は政務官就任にあたって離党届を提出し
たが、自民党はこれを受理せず、除名処分を視野に検討している。

 

野党に協力を仰ぎながら、一方では引き抜き工作をやってのける。今の状況を打開する
つもりだったのだろうが、そもそも一本釣りをする相手が間違っている。浜田氏を引き
抜いたところで、後に続く自民党の議員はいないであろう。これで与野党の間に決定的
な亀裂が生じたが、むしろそれこそ菅首相の狙いだったのかもしれない。退陣の条件と
している第2次補正予算案の成立、再生可能エネルギー特別措置法案の成立、特例公債
法案の成立が難しくなればなるほど、菅首相は政権の座に座っていられることになる。
よもや、そんな浅はかな考えがあったとは思いたくないが、あまりに稚拙な工作だった
だけに、ついつい穿った見方をしたくもなる。