菅首相は26日午前の衆院東日本大震災復興特別委員会で、次期衆院選に関連し「マニ
フェストの見直しをするなら衆院を解散しろというのは理解できない。私は(2013
年に参院選と一緒に行う)ダブル選挙でいいと思っている」と指摘したうえで、「4年
間政権がやったことを国民に判断してもらう時期が来るので、何が何でも早く解散とい
うのは、国民の気持ちとかなり離反していると思う」と語り、早期の衆院解散を明確に
否定した。首相はその理由として、「まずやるべきことは震災の復旧・復興と、原子力
事故の収束だ」と説明した。この首相の発言に対し、自民党の石原幹事長は同日の記者
会見で「辞める(と表明した)首相が、いつ選挙をやるということに言及しても意味が
ない」と不快感を表明した。

 

退陣を発表した首相がここまで居座ると誰が想像したことであろうか。何を思ってダブ
ル選挙のことを口にしたのかは分からないが、「4年間政権がやったことを国民に判断
してもらう」とは自惚れすぎであろう。民主党政権は2年ももたずに国民の信を失った。
特に2年前のマニフェストは無理があった、と菅首相も岡田幹事長も認めており、詐欺
と言われても仕方の無いレベルである。出来もしないことで政権を奪取したのであるな
ら、その失敗を素直に認めて国民の信を問うべきではないか。失敗を放置したまま、何
の総括もせずに、ただ民主党政権が続くことを国民は許しはしないだろう。それとも、
民主党にとってマニフェストなど守るべき価値が無い、その程度のものだとすれば、い
ったい何のためのマニフェストだったのか。国民が民主党に何故、投票してしまったの
か自問自答する中、その受け皿となるべき政党が存在しないもの事実である。永田町は
溶解しつつあるようだ。