民主党馬淵澄夫国土交通相は28日、菅直人首相の後任を決める党代表選に出馬す
る意向を固めた。馬淵氏に近い複数の同党議員が明らかにした。同氏は既に立候補に必
要な推薦人20人の確保に向けて水面下で動いており、首相の辞任時期の確定を待って
正式表明する考えだ。馬淵氏は22日に自身に近い若手議員を集め、出馬の意向を示し
た上で「協力をお願いしたい」と推薦人集めを要請した。これに関し、出席者の一人は
28日、20人の確保に自信を示した。馬淵氏は来月発売の月刊誌に基本政策を発表す
る。これまで主要政策として「まずは景気回復。名目4%程度の目標を掲げるべきだ」
と、成長重視の経済運営を訴え、菅政権が進める消費税率引き上げを「今のタイミング
では考えられない」と批判してきた。原発政策については、安全基準を見直すとともに、
依存度を徐々に引き下げるべきだとしている。

 

ポスト菅をめぐって民主党内が慌ただしくなってきたようだ。馬淵氏は当選3回の中堅
議員だが、野党時代は耐震偽装事件の追及で名を上げ、昨年9月に菅改造内閣国交相
として初入閣している。しかし、中国漁船衝突事故の映像流出事件をめぐり参院で問責
決議が可決され、今年1月の再改造に伴って退任していた。馬淵氏は特定のグループに
は所属していないため、最初のハードルとなるのは代表選出馬に必要な推薦人20人の
確保である。若手議員を集めれば確保出来るとの自信があるのだろうが、党内最大グル
ープの小沢グループの支持を得られるかがカギとなる。世論調査ではトップの前原前外
相は、外国人からの献金問題で躓き、野田財務相も菅政権の閣僚である以上、簡単には
動けないようだ。そういう状況の中、ポスト菅に名乗りを上げる若手・中堅の議員が続
くかもしれない。鳩山、菅、そして小沢のトロイカ体制は事実上終焉しており、新しい
世代へと引き継ぐ時かもしれない。むろん総理の器に足りる人材がいればの話ではある。