民主、自民、公明3党は4日、子ども手当の廃止とともに、12年度から自公政権当時
の児童手当を復活・拡充する方針で合意した。民主党執行部は「子ども手当の理念は変
わっていない」と強調する。しかし、3党合意には12年6月の所得制限導入が明記さ
れた。「すべてのこどもの育ちを社会全体で応援する」との理念は失われ、09年衆院
マニフェスト政権公約)の目玉政策は色あせた。

 

子ども手当民主党の看板政策であったはずだが、あっけなくその看板を下ろすことと
なってしまった。もともと巨額の財源が必要な政策だけに、その継続が危ぶまれていた。
岡田幹事長は給付の拡充を「政権交代の成果」と強調し、「子育て支援の考えは貫かれ
ている」と反論したものの、所得制限の導入が決まったことで、子ども手当の理念は失
われたと言えるだろう。執行部の対応について、民主党内でも反発が起きており、小沢
元代表に近い北辰会の面々14人が、岡田幹事長に抗議文を手渡すなど、野党だけでな
く、党内までも敵に回す結果となってしまった。ただし、子ども手当の継続が難しかっ
たのは事実であり、児童手当への回帰は必然であったと言えよう。無駄の削減で財源を
生み出すことが出来なかった以上、仕方の無いことだ。