衆院予算委員会は8日午前、菅直人首相と関係閣僚が出席して外交・安全保障に関する
集中審議を行った。首相は衆院解散・総選挙について「大震災(への対応)、原発事故
の収束がこれからも必要な中で、ほとんどの国民は今ではないだろうと思っている」と
述べ、早期解散を重ねて否定した。自民党高村正彦元外相への答弁。首相は「(衆院
選で)多数を得た政党なり政党連合がきちんと(政権運営を)4年間やって、4年後に
国民に信を問うのがあるべき姿だ。そういう形の方が、日本の政治にとっても、国際社
会においてもしっかりした対応ができる」と強調した。

 

菅首相はその場その場での発言を繰り返すため、早期解散を否定した今回の答弁も額面
通りには受け取れないだろう。自らの延命のために脱原発を打ち出したかと思えば、閣
僚から批判されると個人的な考えに修正し、さらには8月6日の広島での記者会見では、
脱原発は政府の方針と発言したり、もはや何を言っているのか分からない状態である。
さらに、早期解散を否定したとは言え、菅首相の退陣時期は未だに不明である。民主党
としても、最初はお盆前の決断を促す方針だったようだが、お盆明けにずれ込み、そし
て今月中とズルズルと後退していった。このままでは本当に菅首相は居座りを決め込む
ことであろう。それを防ぐ手立てが民主党に無いとすれば、政治的空白が続くばかりだ。