民主、自民、公明3党は8日、菅首相が退陣条件と位置づける特例公債法案の会期内成
立に向け、大詰めの調整に入った。民主党は、再生可能エネルギー特別措置法案と併せ
て週内の衆院通過を目指すが、自民党が協力条件と位置づける民主党の主要政策見直し
の調整は難航しており、民主党がどこまで譲歩に応じるかが焦点になっている。民主党
の岡田幹事長は8日の記者会見で、退陣条件として残っている両法案について「(衆院
通過が)お盆を越えると全体の日程が非常に窮屈になり、この国会での成立がよく分か
らなくなりかねない」と述べ、週内の衆院通過が不可欠との考えを強調した。

 

民主党執行部は看板政策の子ども手当を廃止することには同意したが、党内から予想以
上の反発を受けたことで、自民党がバラマキ3Kと位置付ける高速道路無料化、公立高
校の授業料実質無償化、農家に対する戸別所得補償制度は死守する構えのようだ。一方
の野党も対応が割れている。公明党は「お盆前にはある程度の見通しをつけるべきだ」
と早期決着に傾いているが、自民党は、特例公債法案を早期決着させるべきだとする推
進派と、首相から退陣の言質を引き出すまで徹底抗戦を主張する強硬派に二分されてお
り、歩調にズレが表れつつあるようだ。菅首相が退陣の条件として挙げた再生可能エネ
ルギー特別措置法案と特例公債法案を成立させ、引導を渡すのは民主党に任せるとの算
段なのだろうか。野田財務相を始め、ポスト菅と呼ばれる面々が徐々に名乗りを挙げて
いる。菅首相を誰が退陣に追い込むか、注目したいところだ。