菅直人首相が退陣を明言したことを受け、民主党の各グループは11日、後継を決める
党代表選をにらんだ活動を本格的にスタートさせた。党内情勢を分析するとともに、結
束固めに努める構えだ。同日昼前から、出馬の意向を固めている野田佳彦財務相、出馬
が取り沙汰される前原誠司前外相の各氏を中心とするグループのほか、樽床伸二元国対
委員長、鳩山由紀夫前首相、小沢一郎元代表をそれぞれ支持する各グループが一斉に定
例会合を開催し、今後の対応を協議した。会合に先立ち、野田グループの幹部は「われ
われは走りだす」と述べ、多数派工作に入ることを強調した。同グループは、同じ主流
派である前原グループに連携を呼び掛けている。また、かねて出馬に意欲を示す樽床氏
は自身のグループ会合で、代表選への対応に言及するとみられる。 

 

民主党のグループは自民党の派閥と違い、緩やかな関係と言われていたが、やはり代表
選のような場面では派閥政治さながらの光景が見られるようだ。党内最大グループの小
沢グループの動き次第で、誰が代表になるかは大きく様変わりするためだ。さらにそれ
に同調すると思われる鳩山グループ、これだけで党内の3分の1近くの議員数にはなる
のではないか。最有力と思われるのは野田財務相、前原前外相だが、さらには馬淵前国
交相、小沢前環境相、鹿野農水相などの名前が挙がる。いずれも中小のグループや中間
派とされる面々のため、小沢グループの意向は無視出来ない。菅首相のグループはどう
動くのか、その点も注目だろう。政権に執着した姿勢からして、意中の候補がいるとは
思えないが、あまりに時間が無いだけに民主党の代表選は禍根を残しそうである。新代
表・新首相は前途多難のようだ。