海江田万里経済産業相は19日の閣議後の記者会見で、菅直人首相の後継を選ぶ民主党
代表選に出馬する意向を明言した。「出馬へ最終調整か」との質問に「そういう理解で
よい」と答えた。党運営に関しては「民主党の総力を挙げて難しい問題に取り組まなけ
ればいけない」と強調。党代表に就いた場合は、党員資格停止の処分を受けている小沢
一郎元代表の処分を見直す考えを示唆した。海江田氏は同日午後、小沢元代表や鳩山由
紀夫前首相とそれぞれと会談し、協力を要請する。代表選に出馬する意向を固めた野田
佳彦財務相閣議後の記者会見で、自民、公明両党などとの大連立について「慎重な意
見は分かるが、大きな枠組みの中で政治が前進することを描くべきだ」と語り、積極的
な姿勢を改めて示した。

 

海江田氏は小鳩連合の事実上の統一候補を狙っているのだろうか。100人規模を誇る
小沢グループを始め、それに鳩山グループが追随することで、民主党内の3割、4割を
押さえたに等しい状態である。海江田氏は自身が率いるグループが無い以上、中間派の
支持を集めるか、擁立出来る候補がいないグループに擦り寄るか、そのいずれかだろう。
党員資格停止の処分を受けている小沢氏の処分を見直す考えを示唆したのも、その一環
ではないか。党内は大連立推進派、反対派で二分されており、さらにはマニフェスト
正派、堅持派など様々な対立軸が存在している。これらをまとめるのは容易なことでは
ないが、新代表・新首相がリーダーシップを発揮出来るか、ポスト菅の顔ぶれを見る限
りは難しいと言わざるを得ないだろう。