民主党代表選への立候補を表明した前原誠司前外相は24日午前、出馬に意欲を示す樽
床伸二元国対委員長衆院議員会館の事務所に訪ねて支援を要請、29日の投開票に向
け活動を本格化させた。前原氏の協力要請に対し、樽床氏は「党と国のため自分がどう
振る舞えばいいのか、1、2日考えたい」と述べ、即答を避けた。一方、出馬の意向を
固めている野田佳彦財務相は24日、社会保障政策などをテーマとする党内有志議員と
意見交換会に出席する予定だったが、円高対応を優先するとしてキャンセルし、午前
中は公務に専念した。午後に支持グループが開く選対本部準備会合に出席する。小沢一
元代表は同日昼、自身を支持する衆院当選1回の議員グループ「北辰会」の定例会合
に出席、23日に続いて系列議員の結束を図る。

 

前原氏にとって代表選で勝利するためには、主流派と言えども自身のグループだけでは
厳しい。さらに、野田氏が出馬することで民主党内の保守系が分裂することになってし
まった。それだけに、少数と言えども樽床グループを味方につけておいて損はないと踏
んだのだろう。良くも悪くも、これまで親小沢、脱小沢と常に小沢氏が政局においては
中心的な役割を果たしてきたが、今回も党内最大グループを率いるだけに、その動きが
注目を集めそうだ。小沢グループを遠ざけることで、他のグループが前原氏に接近して
くるかは読めず、結局は数合わせに終始することになりかねはしないだろうか。それだ
けに、距離感が難しい。世論調査では人気の候補でも、党内の力学の前には膝を屈する
ことになるのか。それとも逆に小沢グループと組むことになるのか。民主党内はますま
すと混沌としてきたようだ。