政府は、停滞している米軍普天間飛行場沖縄県名護市辺野古への移設について、新た
な「工程表」を固めるとともに、沖縄県側との交渉を本格的に再開した。複数の政府筋
が4日、明らかにした。防衛省は、今年12月までに代替施設建設の前提となる環境影
響評価の「評価書」を仲井真弘多知事に示す方針だ。さらに、来年6月をメドに、知事
の許可が必要な海面の埋め立てについて、知事に申請を行うことにした。野田首相は今
月下旬に行う就任後初の日米首脳会談で、こうした方針を念頭に移設問題に本腰を入れ
る考えをオバマ大統領に伝えるものとみられる。政府は米国に対し、8月中旬に行った
外務、防衛担当審議官級協議で、新たな工程表の説明をした。今月1日には中江公人防
衛次官が仲井真知事と会談し、年内に評価書を提出する方針を伝えた。

 

鳩山政権が迷走させ、菅政権は手つかずのまま放置した普天間基地の移設問題。最低で
も県外と叫んだ鳩山元首相によって、普天間基地の移設先は宙に浮き、結局のところ県
内である辺野古への移設を表明するに至った。菅前首相も普天間基地の移設先は辺野古
としたものの、交渉は進展しないまま退陣に追い込まれている。確かに菅政権は震災が
起きたことにより、そちらに対応がシフトしてしまった感はあるが、野田政権が如何に
真剣に沖縄と向き合えるかが注目であろう。2年間を空費したことで、米国側も相当な
疑念を持っていることであろうし、こうしてまた首相が変わったのもマイナス以外の何
ものでも無い。政権が続くことで、政策にも継続性が出てくる。普天間基地の移設問題
は時間が経てば経つほど解決が難しくなる以上、時間との戦いである。