一川保夫防衛相は5日の就任記者会見で、2日に「安全保障に関しては素人だが、これ
が本当のシビリアンコントロール文民統制)だ」と発言したことについて「あらゆる
分野で国民的感覚、一種の素人的な感覚でしっかり対応したいというのが自らの政治姿
勢だ。そういったことが、そういう発言になったかもしれない」と釈明した。文民統制
の意義については「民主主義国家においては、最終的に政治の責任でしっかり政策を判
断していくということだ」との認識を強調した。一川氏は会見に先立ち、防衛省内で幹
部約400人を前に訓示。視線を落として原稿を読み上げる「安全運転」に徹した。

 

「あらゆる分野で国民的感覚、一種の素人的な感覚でしっかり対応したいというのが自
らの政治姿勢」と一川氏は語ったらしいが、素人的な感覚とはいかなるものなのだろう
か。我が国の国防を担うはずの防衛相が、安全保障について素人的な感覚で仕事をされ
ては、困るのは自衛隊であり、我々国民であろう。挙党体制の演出のため、小沢グルー
プより入閣した一川氏だが、早くも釈明する羽目に追い込まれたのも、自らの発言が原
因である。これまでも、たった一言で大臣を罷免されるようなことも起きており、軽率
な発言は慎むべきであろう。シリビアンコントロールの認識がどうという問題では無い。
有事の際にきちんと政治家が判断出来るかを問題とすべきだろう。