野田首相は12日午前、東京電力福島第一原子力発電所事故をめぐる不適切な言動で辞
任した鉢呂吉雄経済産業相の後任に、枝野幸男官房長官を起用する方針を決めた。
枝野氏が菅政権で原発事故の対応に深く携わってきたことを重視し、即戦力になると判
断した。首相は枝野氏の起用で態勢を立て直し、13日召集の臨時国会に臨む考えだ。
枝野氏は12日、経産相への就任を受け入れる考えを周辺に伝えた。政府は鉢呂氏の辞
任に伴い、経産相の臨時代理に藤村長官を充てている。枝野氏は同日夜に皇居での認証
式を経て、正式に就任する。

 

官房長官として菅政権を支えてきた枝野氏が経産相として入閣することとなったようだ。
鉢呂氏がわずか9日間で辞任に追い込まれたことで、野田政権にとっては大きな躓きと
なった。菅政権のスポークスマンとして、震災後は連日会見に応じていただけに、喋る
ことには慣れており、記者との付き合い方も十分に分かっていることだろう。鉢呂氏が
放射能をうつす」のような発言をしたとか、しなかったとか、そんなことはもはや不
毛そのものである。野党が今回の辞任を攻撃の材料とするのは間違い無く、どう防戦す
るかが野田政権の先行きを決めるのではないか。野田首相は厳しい対応を迫られる。