野田首相がニューヨークの国連総会で行う一般討論演説の概要が17日、明らかになっ
た。東京電力福島第一原発事故の教訓を踏まえて「世界の原発の安全性を高める」ため
に日本が協力する方針を打ち出すほか、南スーダンでの国連平和維持活動への部隊派遣
に向けた手続き開始を表明するなど、世界の安定・安全のため積極的に貢献する日本の
姿勢を強調する。演説では冒頭、大震災に対する各国の支援に謝意を表し、復興に向け
た日本の取り組みを説明、防災に関する国際協力を推進する立場も示す。原発事故に関
しては、世界の原発の安全性を高めるために協力する一方、日本としては再生可能エネ
ルギーの比率を高め、中長期的に原発への依存を減らしていく考えを盛り込む方向で調
整している。

 

菅前首相は国連総会にまで出席するつもりだったようだが、さすがにそこまでは粘るこ
とは叶わずに辞任に追い込まれた。おそらく、脱原発を高らかに謳い上げるつもりだっ
たのであろう。その役目は野田首相が受け継ぎ、再生可能エネルギーの比率を高め、中
長期的に原発への依存を減らしていく考えを示すようだ。だが、これによって世界の原
発の安全性を高めるための協力など出来るのだろうか。中長期的と言うことなので、当
面は既存の原発を使っていくとは言え、将来的には先細りが確実な原発に投資していく
判断を企業がするとは思えない。それとも他国で建設される原発を受注して、その維持
・メンテナンスをすることで、技術を維持していく腹積もりか。その辺がはっきりしな
いまま、言葉だけが一人歩きするのは危険である。