衆院予算委員会は26日午前、野田首相と全閣僚が出席して基本的質疑を行い、与野党
の論戦が本格化した。首相は、民主党衆院選政権公約の見直しに関する民主、自民、
公明各党による3党合意を順守する意向を改めて明言し、自民、公明両党に対して、2
011年度第3次補正予算案を巡る政策協議の早期開催を呼び掛けた。首相は「3党合
意の順守は極めて重要だ」と強調した。さらに、「与野党協議を『正心誠意』行い、結
論を出して政治を前に進めるのが基本中の基本だ。3党の合意形成をこれからしっかり
やっていく」と述べ、自公両党との政策協議を政権運営の柱に位置づける姿勢を示した。

 

野田首相が就任直後、政権運営について、余計なことは言わない、やらない派手なこと
をしない、突出しないの「3原則」を側近議員らに指示していたようだが、鳩山政権、
菅政権が迷走した原因を考えれば、そう判断をせざるを得ないだろう。野田首相は「正
心誠意」なる言葉を使い、真摯な姿勢を見せているものの、臨時国会の会期を4日間の
みにしようとした前科は消えないだろう。参院過半数割れしている中で、本当の意味
での与野党協議は実現するのか。あくまで党利党略を重視して与党を追い込むのか、第
3次補正予算案の成立に向けて協力するのか。任期は残り2年、民主党の行く末を決め
る期間となるだろう。